二郎です。
(このサイトは皆さんからの投稿でできています)
中学校を卒業してから約5年僕は大学生になっていた。
僕が通っていた中学校の同級生はみんな幼稚園から始まり小学校、そして中学校と11年もの間一緒にいた仲だ。
本来は幼稚園を卒園後は小学校に行き新しい同級生ができて6年間を過ごす。
そして小学校を卒業後は中学校に進学しまたそこでも新しい友達ができていくが僕の地元は田舎ということもあり幼稚園から小学校、中学校まで全く同じ顔ぶれ。
この事を大学の友達に話すと「ずっと一緒とかつまんねぇじゃん。」「新しい出会いがないけど楽しかったの?」なんて声が聞こえてくる。
しかし僕は幼稚園から中学まで周りがずっと同じなのは賛成派です。
新しい出会いはないけれどその分みんなと深い関係を築くことができるからです。
子供ながらでも11年も同じ学校に通えばだいたいの性格や考えている事が分かるようになってきます。
何かあったときに「あいつ急にどうしたんだ。」ではなく「いつものあれか。」で済む事がほとんど。
こうして楽しい11年間を過ごしましたが、大学の友達からもう1つよく聞かれることが、「そんな昔からずっと一緒で好きな子とかできたの?」です。
新しい出会いがない分ここを気にする人は多いかもしれませんが好きな人はできます。
しかし、今までずっと一緒でフラれても来年も一緒になると考えると告白まではいかない片想いで終わる事がほとんどでした。
僕もその中の1人で小学1年生の時に好きになった女の子がいました
女の子の名前はまゆこちゃんです、もし告白してフラれでもすればその後もずっと気まずい関係になってしまうと思い結局告白することができず中学卒業後は離れ離れになってしまいました。
高校に進学すると新しい交友関係が増えるので連絡を取り合うことも減り自然と過疎になっていきます。
そんなこんなで告白することができなかった小心者の僕とまゆこちゃんは高校進学後に1度も関わる事もなく時間が過ぎていきました。
僕は高校卒業後に大学に進学し華の大学生をエンジョイしていました。
そんな時に中学の同級生からとあるライングループに招待されます。
そのライングループの名前は「◯◯中学校 同窓会」です。
「あ、そういえば来年は成人式か!」大学生活を満喫し過ぎてすっかり忘れていた僕はその時思い出しました。
ライングループにはみな懐かしい顔ぶればかりでそれを見ているだけでも楽しかったので高校の同窓会を断り中学校の同窓会に参加することにします。
「久しぶり!」「元気にしてた?」なんてラインが飛び交っているのを見て僕は内心すごい楽しみになっていました。
そんなやりとりをしているとふと「まゆこちゃんは元気にしているのかな。」と思いメンバーを見返すとその中に「MAYUKO」というラインがあったのでまゆこちゃんも同窓会に出席するのだと心の中でガッツポーズしました。
そして月日が経ちいよいよ成人の日です。
中学卒業後でも頻繁に遊んでいる友達と連絡が過疎になっていた同級生も一同に集まりみな昔話をしています。
そんな中僕はというと久々に会った同級生もいいのですが、昔好きだったまゆこちゃんが今どんな風になっているのか気になって気になって仕方ありませんでした。
ですがまゆこちゃんはどこを見渡してもいなかったので「別の会場に行ったのかな。」なんて考えていると肩をトントンされ振り返ると、
そこにはとっても綺麗な女性が立っていました。
「久しぶり!」
「へ?」
「私のこと忘れたの?笑まゆこ!」
「あっまゆこちゃん?」
こんな感じで久しぶりに会うまゆこちゃんはとびっきり綺麗になっていました。
もともとハーフ顔で綺麗な顔立ちをしていましたが、本当に綺麗でびっくりして腰を抜かしそうになるほどでした。笑
そんなこんなで他愛もない話をしながら成人式は終わりついに待ちに待った同窓会の始まりです。
クラスの人気者たちがビンゴ大会をしたりみんな昔話に花を咲かせていました。
もうみんな20歳でお酒も飲める年頃です。
ビールが苦手な僕はカクテルを注文してちびちび飲みながら同級生たちと昔の話で盛り上がっているとまゆこちゃんもお酒を飲んでいるではありませんか。
しかも度数の強いウィスキー片手に。
とても同い年には見えない大人っぽいまゆこちゃんに見惚れていると目が合いました。
「こっちきて話そ!」そう言ってくれたのはまゆこちゃんからです。
「そっち行くよ!」すぐにまゆこちゃんの近くへ席を移動しました。
同窓会ではありましたが、まゆこちゃんと会話する時は周りに人がいなくて1対1の状況です。
とびっきり綺麗になったまゆこちゃんを前に僕は会話することができませんでした。
そんな時に間をとるため大学の先輩からもらった加熱式たばこを取り出すと「加熱式たばこ吸ってるんだ!」とまゆこちゃんが言ってきました。
実は喫煙者だったまゆこちゃんは今ほど普及していなかった加熱式たばこに興味津々で「どんな味がするのか試したい!」と言うので貸してあげるとそこから話が弾みまるで昔片想いしていた時に戻ったみたいに楽しい時間が流れていきます。
「そういや昔もこんな感じだったっけ。」なんてことを考えていると同窓会はそのままお開きに。
同窓会では泥酔する者もいて大変でしたが僕にとっては昔恋していた頃を思い出せたようで楽しかったです。
酔った勢いでまゆこちゃんに昔ずっと好きでしたなんてカミングアウトしようかなと考えていましたが、本人を前にすると言う事ができませんでした。
中学を卒業してからも小心者な所は変わっていないと自分で思うと少し笑ってしまいます。