紙巻きタバコ全盛時代、喫煙者の間でも賛否両論になりがちな「1本ちょうだい」問題というのがありました。居酒屋で、クルマの中で、会社の喫煙室で…。あらゆる場所で、屈託なく「そいつ」は現れる。
「あ、自分のタバコ切らしちゃったんで、1本もらっていいッスか?」
「そのタバコ、メンソールどれくらいキツいのか、1本試していい?」
「今度「箱」で返すんで、1本ちょうだい」…。
ちなみに、この場合の「あとで買って返す」という約束は、永遠に果たされることはないというのも「あるある」です。
「一本ちょうだい」と言われたほうは、自分だけ吸ってるのもアレだし、「1本くらいいいか」と思いつつ恵んであげるものの、なんだか釈然としない。
1本あげたら調子に乗って「もう1本」、そのうち断りもせずに、箱から勝手に取り出して吸い始めたりする。
これが世界中で繰り返されつつも、人類がいまだ解決できない「一本ちょうだい」問題なのです。
しかし、世はすでに加熱式タバコ時代。その構造上、この「1本ちょうだいコミュニケーション」のハードルが高く、もしかしたらこの問題も根絶できているのかもしれない…。
そこで、独自にアンケート調査! 加熱式タバコユーザー30人に、「一本ちょうだい問題」について訊ねてみました。
まず、「加熱式タバコを吸っているときに、『一本ちょうだい』(または「ひと吸いちょうだい」など)と言われたことがあるか?」という問いには、30人中13人が「ある」と返答!思ったより多い!
「仲間内では、よくあります」(20代男性)
「加熱式タバコが出始めた頃は、よく『どんな味がするの?』と聞かれて、貸してあげてました」(30代 男性)
「男友達に『ひとくち、いい?』と頼まれたので本体ごと売りつけました」(20代 女性)
「居酒屋で飲んでるときに、同僚に勝手に吸われてました」(30代 男性)
ちなみに、紙巻き、加熱式にかかわらず、居酒屋などの飲みの場で、この妖怪「一本ちょうだい」が頻繁に現れるのは、その多くが「お酒が入ると吸いたくなる族」だから。
この一族は、かつては喫煙していたがいまは止めているなどの理由で、普段はタバコを持ち歩かないことが多いため、酔って吸いたくなったときに付近の人間に頼るしかないという、非常に迷惑な特徴があるのです。
この13人のうち、「一本ちょうだい」といわれても絶対に断る、というのはわずか4人。
「口をつけるものなので、他人に貸したくないです」(30代 女性)
「加熱式タバコは、回し吸いするものではない」(40代 男性)
ここで唐突に結論を言いますが、この4人の行動が正解です。
そもそも加熱式タバコは「おひとりさまでの専用使用」を想定してありますし、コロナ渦の昨今、回し吸いなどは完全にNG行為。
これからは加熱式タバコは自分専用とし、誰かに吸われないように厳重に管理していくことが「新しい生活様式」なのです。
このアンケートの回答者30人中、かつて、もしくは現在も紙巻きたばこを吸っている、と答えたのは28人。そのうち、「1本ちょうだい」と言われたことが「ある」と答えたのは、なんと28人全員でした。
紙巻きから加熱式になり、かつては当たり前だった習慣も変わっていくことだけは確かなようです。