皆さんはハームリダクションという言葉を聞いたこと、ありますか?
ハームリダクションとは、「harm(害)」を「reduction(減少)」、つまり「カラダに悪影響を与えることを少なくしよう!」という行動で、例えば薬物やアルコール、タバコなど、止めようとしても止められないことを無理に止めさせるのでなく、体に害を与えない方法で薬物やアルコール、タバコなどとつきあっていこうという考え方で、主に欧米を中心に広がり始めています。
今回はこのハームリダクションという考え方と加熱式タバコをテーマに、私(北山)を含めた現役大学生の3人で簡単なディスカッション(意見交流)をしてみました!
北山:みんな忙しいところ、集まってくれてありがとう!
村上:いえいえ!
ゆう:ぜんぜん!加熱式タバコをテーマにハームリダクションをディスカッションにしたことがないから実は楽しみにしてたよ〜!
北山:ほんとに!そういってくれて嬉しい。じゃあディスカッションをする前に簡単に自己紹介しよっか。じゃあさっそく僕から自己紹介するね。大学3年生で陸上競技部に所属している北山伸です!ちなみに、今回のテーマにある加熱式タバコとハームリダクションについてはちょっと前にゼミの少数グループの班で研究したことがあるから、ある程度のことは理解してるかな。じゃあ、次は村上よろしく!
村上:了解!大学3年生の村上雄基です。ハームリダクションについては最近小耳に挟んだ程度で、加熱式タバコについては吸ったことはないけどだいぶ普及してきてるし、ある程度は知ってるよ。
北山:そうなんだね!タバコ自体は吸ったことはあったんだっけ?
村上:コロナが広まる前にアゼルバイジャンにいったんだけど、その時に友人に勧められて紙巻きのタバコを吸ったことがあるよ。
北山:そういえばこの前その話してたよね!じゃあ次はゆうから自己紹介お願い!
ゆう:了解!大学3年生の村上ゆうです。村上同士で呼びづらいと思うけど、いつも通りゆうでよろしく(笑)。正直、今回のテーマの加熱式タバコとハームリダクションはあまり触れたことがないから全然わからないかも。けど、周りの友達が結構加熱式タバコを吸ってる人は多いし、ちょっと気になってたかも。
北山:なるほど!じゃあ今のところ、ふたりとも加熱式タバコについてはある程度知ってるけど、ハームリダクションはあんまりわからない感じかな?
村上:そうだね。
ゆう:うん。
北山:じゃあ、簡単に説明するね。加熱式タバコはみんなも知ってる通り、通常の紙巻きタバコのように紙や葉を燃焼させずに加熱して使用するタバコなんだけど、やっぱりなんと言っても最大の特徴は「スモークレス」で煙が全然でないことと、ということは紙巻きタバコよりもタールなどの有害物質が比較的少ないことかな!一方で、ハームリダクションっていうのは英語を勉強してる二人ならわかると思うけど、「害を減少させる」っていう意味で、要は「健康被害をできるだけ少なくしよう!」っていうこと。わかりやすい例としては、タバコをやめられない人に対して、無理にやめさせるんじゃなくて、加熱式タバコなどを利用するなどの違う手段で健康リスクを減らしていくことが挙げられるかな。
村上:なるほど!加熱式タバコは煙じゃないんだね!それと、ハームリダクションっていう考えを改めて聞くと、今までの喫煙を辞めたい喫煙者に対し吸うこと自体を辞めさせる対処の仕方と違って新鮮味があっていいね!
ゆう:そうなんだ!加熱式タバコは紙巻きタバコよりも有害物質が少ないんだね!最近加熱式タバコに乗り換えている人の気持が少しわかったかも。
北山:二人に加熱式タバコとハームリダクションについてある程度理解してもらったところで本題に入っていくんだけど、このハームリダクションの概念に加熱式タバコは合致すると思う?
村上:うーん。俺は合致すると思う。その理由として、そもそもハームリダクションの考え方はタバコを辞めさせることを目的にしていないし、紙巻きタバコから加熱式タバコに変えることで全体的な健康リスクの低下に寄与してると思うし。
ゆう:確かに。俺も村上の意見と同じで、トータルで見たときの健康被害は少なく済むと思うし、ハームリダクションの概念に加熱式タバコは合致してると思うな。
北山:そうだね。僕も二人と同じでこのハームリダクションの概念に加熱式タバコは合致してると思う。じゃあ、今の話を踏まえてみんなで考えたいんだけど、紙巻きタバコから加熱式タバコに変えた人は人数でいうと、かなりの人がいると思うけど、紙巻きから移行する決め手と理由ってなんなのかな?
村上:そうだなぁ。さっきの話にもあった通り、自分の健康を気遣った結果、加熱式タバコに変えたんじゃないかな。あとは金銭面での理由がもしかしたらあるのかも。
ゆう:金銭的な理由で加熱式タバコに移行する人は考えにくいかも。この前先輩の頼みでiQOSの本体と中身を買いにいったんだけど、確か本体が5千円か6千円くらいして、中身が紙巻きとほぼ変わらなかった気がするから。だから結果的に本体の値段も含めて加熱式タバコは紙巻きよりも金銭的には高価になるし、理由としては考えづらいかな。
北山:じゃあゆうは何が理由で加熱式タバコに変える人がいると思う?
ゆう:そうだなぁ、自分自身の健康に対する意識はもちろんあると思うけど、それ以上に「周りへの配慮」が決め手なんじゃないかな。俺の周りのタバコを吸ってる友達は、大学自体の敷地面積が狭いこともあって、自分がタバコを吸うことでその煙が一般生徒にかからないように気をつけてる印象がすごくあるからなぁ。そういえば、昔、周りへの配慮を意識して加熱式タバコに変えてる友達もいたよ。
村上:そうなんだ!よくよく考えてみると、ゆうが言う通り、自分の健康に気遣った結果加熱式タバコにかえるんじゃなくて、周りへの配慮が一番の決め手になってるかもしれないね。
北山:確かに、二人の言う通り、紙巻きから加熱式タバコに変えた理由として一番の決め手となっているのは周りへの配慮かもね。でも実際そういった加熱式タバコに乗り換えた人たちの周りへの配慮って非喫煙者の人に理解されてるのかな?
村上:多分理解されていないと思う。俺は今まで数回しかタバコを吸ったことがなくて、ほぼ非喫煙者だけど、こうしてじっくりと考えてみないと加熱式タバコを使用してる人の気持ちとか全く考えたこともなかったから。
ゆう:俺は理解している人も中にはいると思うけど、理解していない人が大半じゃないかなって思う。そもそも、非喫煙者からしたら配慮とか関係なしに、加熱式タバコに変えることは当たり前って考えてるんじゃないかな。大学での喫煙スペースは年々狭くなってきてるし、煙が多く出るものは吸ったらだめっていうルールもあるし。
北山:加熱式タバコを使用している人の周りへの配慮がなかなか理解されていないのは難しい問題だとは思うけど、この現状を打開する方法とかはないのかな。
村上:打開策かぁ。なかなか思いつかないなぁ。
ゆう:難しいなぁ。
北山:そうだなぁ。もしかしたら、CMとかテレビとかのマスメディアに加熱式タバコユーザーを取り上げた内容を放送・発信したらもっともっと理解が深まるかも。
村上:確かに!そこで有名人の中から実際に加熱式タバコを使用してる人を起用すれば自然と注目も集まると思うし、加熱式タバコを使用している人たちがどれだけ周りに対して気を使ってるかがもっと理解されると思う!
北山:そうだよね!加熱式タバコユーザーの周りへの配慮は今後ももちろん重要だとは思うけど、一方で嫌煙家の人たちのようにタバコ自体を否定的に考える人達への配慮も忘れちゃいけないね。
ゆう:そうだね。iQOSとかの加熱式タバコは例外的に室内でも吸える場所もあるそうだけど、嫌煙家の人達からするとこういった事例もかなり否定的に捉えているだろうしね。
村上:室内でも吸えるなんて初めて知った!ゆうがいってくれた事例も中にはあると思うけど、実際にその環境で生活をしたり、仕事を行ったりする人もいるわけだから、その場での声をしっかりと聞きつつ制度などを整備する必要があるね。
北山:本当に二人がいってくれた通りだと思う。改めて、二人の意見を参考にハームリダクションと加熱式タバコについて振り返ってみると、ハームリダクションの考えが広がりつつある世の中で加熱式タバコは今後も需要が高まる可能性があると思う。その中で、喫煙者だけでなく、嫌煙家の立場もしっかりと考えて、「タバコを吸う人、タバコを吸わない人の両者が住みやすい環境を協力して作っていく」ことが重要になってくるね。
村上:うんうん!そうだね!
北山:最後に、二人から今回のディスカッションの感想を簡単に聞いてもいいかな?
村上:もちろん!まず、今回のディスカッションを通じて、ハームリダクションの概念を改めて学ぶことができてよかった!加熱式タバコに関しては、健康面や周りへの気遣いでの需要とファッション性を含めた嗜好品としての需要の双方で需要が高まってくると思うから今後のタバコ業界の動きに注目したいなって思った!
ゆう:正直今回のディスカッションをする前まで、加熱式タバコもハームリダクションも全然知らなかったから不安だったけど、話をする中で自然と理解できたし、非喫煙者として喫煙者のことを全然理解できてないなって感じた。だからこれからは、自分とは関係がないからといって無関心になるんじゃなくて、積極的に今回のようなテーマを考えて行きたいって思った!
北山:ふたりともありがとう!それと、忙しい中、今回参加してくれて助かりました!!
村上、ゆう:いえいえ〜!
以上、ディスカッション内容となります。
今回のディスカッションによって、現役大学生でも加熱式タバコはある程度理解されていることがわかりました。
しかし、ハームリダクションはまだまだ、特に日本では広く理解されていないのではないか、というのが私の感想です。
ただ、このハームリダクションという考え方は、知識がほぼ0の状態から二人の学生が肯定的に捉えていたことからも、大学生だけでなく幅広い世代で認知が拡大していく可能性があると筆者は考えています。