加熱式タバコっていいよね

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主婦の目線 ハームリダクションのシンポジウムに出席して

更新日:2021.06.17
ハームリダクション

~健康産業の努力と苦心~

加熱式タバコをきっかけに、

ハームリダクションについて

知ることができた眉毛猫。

 

先日は、自民党ルール形成戦略議員連盟✕

多摩大学ルール形成戦略研究所の

シンポジウムに行ってきました。

より健康的な暮らしへ

 

『ハームリダクション・ライフスタイル~健康産業の振興に向けた国際ルール形成』

 

7つの企業がプレゼンをするということで

期待していたら、

そのなかにあの「glo」を販売している

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社

さんがいるではありませんか。

発表内容に期待感が高まります。

 

それでは、今回のシンポジウムの

大まかな流れをとらえながら、

各社のプレゼンを見て、

ハームリダクションへの理解を

更に深めていきましょう。

 

ハームリダクションの精神と課題

ハームリダクション|~識者の意見~

 冒頭の動画で、

甘利明衆議院議員がこう語っていました。

世界の課題をまっさきに迎えるのが日本。

少子高齢化、生涯現役社会、

成人病社会。

寿命を健康寿命とイコールにする

ために、日本が先陣を切らねばならない、と。

 

中山展宏衆議院議員は、

健康長寿こそ最大の幸せであり、

平均寿命だけが高くても

幸せにはなれないと話しました。

世界の市場や安全保障では

アメリカと中国がしのぎを削っている。

それぞれ価値観が違う中で、

健康に関しては、

世界共通の課題として取り組み、

日本の皆さんのライフスタイルを

国際標準にしていこうではないか、と。

また、医療と健康産業の間で、

企業の皆さんには

どのような苦労があるのか

知っていきたい、とも話していました。

 

多摩大学の國分俊史さんは、

海外、特に中国との関係に絡めて

ハームリダクションについて語りました。

中国の高齢者は

もう2.5億人に達している。

中国経済の成長に伴って

肥満や糖尿病も増え、

医療費があがってきて、

予算がついていかない、と。

日本でも中国でも、

常に健康的な生活が送れるわけでは

ないので、病気の手前からのケアが

必要である。

それなのに、

薬機法と健康増進法という法律のために、

その科学的な基準づくりが遅れている。

法律上

「この製品(食品やサプリメントなど)を

これだけ摂れば、

これだけ健康リスクを軽減できる」と表記できない。

 

ハームリダクション|識者の声まとめ

もしそういうデータをカルテに

残すことができれば、

経営にも活用でき、

健康の維持につながる。

諸問題を改善すれば、

日本のハームリダクションは

中国やASEANの市場とも

連携していけるのではないかとの

お話でした。

 

日本から、ハームリダクションの価値観を

世界に発信していかなくてはならない

時期に来ているようですね。

 

江崎グリコ株式会社

江崎グリコといえば

まっさきに思い浮かぶのが

「グリコのキャラメル」ですね。

グリコーゲンを含むおやつとして、

今も人気です。

 

「健康増進法の規制によって、

子供たちの健やかな成長を願う

企業として、

どの商品がどのような

疾病や健康リスクの軽減につながるのか、

お客様と十分にコミュニケーションできない」

という苦労があるようでした。

 

ハームリダクションを進めていくには、

一般の食品でも

それらをうたえるルール作りが

必要だと気付かされました。

 

パナソニック株式会社アプライアンス社

水に包まれた微粒子イオンを使って、

空気中のハーム

(PM2.5、カビ、菌、花粉、ウイルスなど)

を取り除ける

「ナノイー」技術を開発した企業です。

 

1997年から開発を始め、

2003年にエアリフレナノイーを

発売しました。

 

ナノイー技術を搭載した空調機は、

世界の車や電車にも使用されています。

それなのに、世界共通の基準がないため、

ハームリダクション製品だという

認知が遅れています。

分かりやすい基準がないという

苦労を話していたのが印象的でした。

 

株式会社日本疾病予測研修所

 

とにかく病気にならないことが大切だ

という考え方を進めていくために、

健康診断が大切だという

お話をしてくれました。

 

健康診断には、

その時ならではの数値が出る非再現性、

分かりやすい数値表示、

経年変化、

健康意識を高めるという意義があります。

 

健康だと、医者にかかることはできません。

 

治すより、健康でい続けることが

大切なのに、

健康診断の結果はペーパーで

出てくるため管理がしづらいそうです。

大切な人との生活を守るために、

健康診断のデータ化が急がれる

とのことでした。

 

味の素株式会社

「妥協なき栄養」というお話を

してくれました。

 

おいしさに妥協をしないこと。

 

味の素という商品は、

おいしい減塩、おいしいタンパク質の

摂取につながるのだと。

 

たしかに、うまみ成分を追加すれば

おいしくて無理のない減塩ができますね。

そのことをお客様に伝えるためには、

ルールメイキングの必要性が

あるとのことでした。

 

冒頭から繰り返し出てくる

「薬機法と健康増進法の弊害」

がここにも現れています。

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社

さてさて、お待ちかねの

加熱式タバコに関する発表です!

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコといえば

KENT、KOOL、ラッキーストライクなどの

ブランドを抱えるタバコ会社です。

 

健康のことを考えれば、

禁煙がベストなのは当然です。

 

しかしハームリダクションの

考え方としては、

現実的にできることに

フォーカスしていくのが大切。

 

火をつけて燃やすシガレットよりも、

gloなどの加熱式タバコへの移行を

進めていくことが有効でしょう。

 

シガレットの温度は

600℃~900℃にもなり、

その煙の中には有害物質が含まれます。

gloの温度は300℃程度で、

タバコ葉を燃やすことがありません。

 

世界ではもう、ニコチンの摂取が

有害だとは言われていません。

 

煙の中の有害物質が、

健康被害を引き起こすのです。

加熱式タバコでは、

その有害物質を90~95%も

減らすことができます。

 

体に悪いものの度合いを

小さくするために、

正しい理解を求めていました。

 

イギリスでは、加熱式タバコの税率は、

他のタバコよりも

低く設定されているのだそうです。

ハームリダクションの考え方として、

日本より先を行っていますね。

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコでは、

身を切る改革として、

加熱式タバコ製品の値上げ幅を

なるべく小さく設定したそうです。

 

加熱式タバコの入手のしやすさ、

使用のしやすさを上げていくために、

エビデンスに基づいて、

シガレットと差をつけてほしいと

訴えていました。

 

増税幅と、喫煙できる場を

差別化してほしい、と。

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコの願いは、

加熱式タバコユーザーの私たちの願いと

全く同じものだったのです。

 

たばこ税は貴重な財源です。

健康長寿を願う私たちのために、

適切に運用される未来を

願わずにはいられませんでした。

 

日本航空株式会社

旅行とは、非日常そのものです。

なので、日本航空の方々と私たちは、

日常レベルでは

なかなか触れ合うことがありません。

その中で、

あえてハームリダクションに力を入れようと

「歩けばマイルが貯まる」サービスを

作ったそうです。

 

旅に出るためには

健康でなければならない、

という精神です。

 

歩いてマイルというサービスでは、

6000歩、8000歩、10000歩と

歩くごとにマイルという特典がもらえます。

 

ただ「歩くことが健康にいい」と

はっきり書くことは法律上できません。

マイルが貯まると

うたうことしかできないのです。

 

明確な基準を作り、

官民一体となって、

行動変容をうながしていかなければ

なりませんね。

 

株式会社クォンタムオペレーション

針を刺さなくても

血糖値を測ることができる、

画期的な技術を開発している

ベンチャー企業さんです。

 

先天性の糖尿病の子どもたちが、

生きるために針を打つ姿に心を痛め、

バイタルを測る負担を軽減するべく

商品開発をしているそうです。

 

時計型の計器のベルト部分に

センサーがあり、

糖を測ることができるのですが、

正確な数値として使うことは

まだできません。

 

例によって、

薬機法と健康増進法上、

針を刺さない計測方法は

まだ認められていないからです。

 

睡眠の質を測るセンサーも

実用的なレベルなのに、

まだ使えないのだそうです。

 

これは問題です…。

 

各社の苦心とルール形成への願い

「歩くことは健康にいい」とすら

明記できない日本の現状に、

衝撃を受けました。

歩くことで変化する

バイタルの数値を書くと、

法律に引っかかってしまうなんてことが、

あっていいのでしょうか。

数値を出すと

医療の範疇になってしまうので、

一般商品のコピーや紹介には

使えないのです。

これでは

ハームリダクションライフスタイルが

定着するはずがありません。

 

日本では、医療分野は、

良くも悪くもとても厳密なのですね。

発表をした各社が、

法律との折り合いに

大変苦心しているように思いました。

科学的なエビデンスがあるのに、

私たちに伝えることができないのは、

健康増進を願う精神と矛盾します。

 

ハームリダクションの考え方を

推し進めるためには、

世界基準の距離感で、

もう少し大胆になったほうが

良さそうだと感じました。

 

大変貴重な学びのある

シンポジウムでした。

私たちの生活がより良くなるために、

健康寿命を伸ばすために、

ルールの改正を強く希望します。

 

ここまで読んでくださり、

一緒に勉強してくださり、

本当にありがとうございました!

 

文:眉毛猫

 

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