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西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.21『ドリームキャスト』第8話 夢はオワナイシュギ
第八話 夢はオワナイシュギ 若者の入れてくれたカプチーノは、イタリアで当たり前のように飲んでいた、ほろ苦い中にミルクの柔らかさが引きたつ、絶品の品物だった。 この大岡山で、こんな庶民的なイタリア料理に出会えるなんて…康介… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.21『ドリームキャスト』第7話 夢はヒトリヨガリ
第七話 夢はヒトリヨガリ 初めて津屋崎に出会ってから、３日目の朝が来た。 康介は、オンボロカブを走らせ数十分…五反田を離れて、大岡山にいた。 「浅田佐夜子の居場所ですか？ そりゃあ、知らないわけではありませ… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.21『ドリームキャスト』第6話 夢をフタタビ
第6話 夢をフタタビ 「おはよう…ます、おはようございます…」 康介が目を覚ましたのは、津屋崎に声をかけられた時であった。 昨日は大変だったのですよ…津屋崎から“あの後”の話を聞いて、改めて自分がどんな体験をしたのか、康… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.02『ドリームキャスト』第5話 夢のツヅキハ
「悩んでいるぐらいなら、この仕事を受けてくれたっていいんじゃないのか」 康介の脳内に、舞島宗史朗の声がこだまする。 康介自身、何が起きているのか全く分からなかった。 自身が気でも触れたのかと思い、右手で左腕の内側を強くつ… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.02『ドリームキャスト』第4話 夢からツタワル
時計の針は、午後１０時を回ろうかとしていたころだった。 「関係者」の名札をぶら下げた、無精ひげを生やしたサンダル履きの男…槙島康介は、あえて灯りを抑えた一室の中で、眼前の病室をただ見つめていた。その先は、感染症予防対策が… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.06.01『ドリームキャスト』第3話 夢ならサメテヨ
４月１１日、午後１時。 昨日の津屋崎の怒号にも似た叫び。その叫びがどうしても気になり、康介は東京先進大学付属病院の正面玄関にいた。 既に傍らには、津屋崎が立っており、無言で会釈をしてきた。 そして、なかば康介がすべてに同… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.05.31『ドリームキャスト』第2話 夢のイリグチ
津屋崎は、康介の隣に腰掛けると、生ビールを注文する。 せっかくだから、この店のおすすめも１品お願いしたい…津屋崎の依頼に、マスターは明太子入りだし巻き玉子はどうか、と提案すると津屋崎は“焼きたてを”と応じた。 「槙島さん… -
西園寺公文の連続小説『ドリームキャスト』
2021.05.25『ドリームキャスト！』１話：夢のカタリバ
「いつものやつで、いいのかい？」 マスターの問いかけに、康介は煙草を加えながらつぶやく。 康介のマイグラスを奥から取り出すと、マスターはそこになみなみとホッピーを注ぎ、きつめのイモ焼酎をさらに加える。 「ほらよ、爆弾ホッ…