タバコ会社が、LGBTに関する取り組みで表彰
カキコ 女性28歳 さんより投稿いただいた記事です!
日本最大のタバコ会社といえば、JTですよね。JTは先進的な取り組みを続けています。たとえば、ダイバーシティ。多様性という意味で、さまざまなバックグラウンドを持つ方々を受け入れ、多様化した組織作りを行うのです。
多様化しない組織は、「日本人・男性・中高年」ばかりで構成されています。女性の役員も、シングルマザーの管理職も、LGBTの人事もおらず、すべてが統一された属性のみで動く組織なんてキツいですよね。JTは、多様化の取り組みを続けているので、しかもLGBT関連で表彰も受けているのです。
プライド指標とは、LGBTに関する取り組みです。従来、LGBTの人達に配慮することは少数派なのであまり大きな関心を寄せられることがありませんでした。政治家は多数派ではないと、経営者もまた、大きな売上にならないのと。
しかし、少数派(マイノリティ)に心を寄せる人が多いのは自然な流れです。「自分は特にマイノリティじゃないなあ」と思う人でも、タバコを吸うという喫煙者としては社会のマイノリティではないでしょうか。タバコを吸いたいと思っても、あまり吸う場所がありませんよね。それは加熱式たばこでも同じですよね。加熱式たばこであっても吸える場所が社会にたくさんは存在しないので、とても窮屈な思いをしているはずです。
いつでも止められるタバコの窮屈さと、LGBTの方々の窮屈さを同じといっているわけではありません。ただ、少しマイノリティの気持ちがわかり、心を寄せる感覚も理解できるのではないでしょうか。多数派だけが世界に生きているわけではないですから、一度きりの人生を皆が楽しめるように、少数派に配慮したり、多様性を持ったりすることは誰にとっても大切なのです。
JTはその取り組みに配慮しているとして、表彰されています。しかも、実は2016年からずっと連続で獲得し続けているのです。
プライドとは、文字通りプライド(誇り)のことです。反対語にシェイム(恥・羞恥)があり、LGBTを恥と思う現象の逆をいこうというもの。だからプライドです。誰を愛し、どんな人を愛し、どういう姿で愛そうとも、愛である以上はプライド高く。。。そんな意思表明が込められた言葉だとされています。
かつては、LGBTであることは恥とまではいかなくとも、少し社会の目を気にしながら生きることとイコールだったようです。現代では当たり前のLGBTも、昔は多数派に推されて肩身の狭い思いをしていたのです。しかし、彼ら/彼女らの頑張りでたくさんの共感を得て、堂々と宣言するようになりましたよね。
プライドという単語には、こうした宣言とともに、肯定感が載せられています。生きることや愛すること、そして自分が自分であることの肯定をする働きかけがプライドです。なぜなら、多数派に押されて小さく縮こまっていると、どうしても自分を肯定できずに苦しんでしまいます。しかし、プライドという概念を知り、学だけでも、ひとりじゃないという感覚を持ってもらって、その先に自己肯定を持ってもらいたいという願いが込められています。
タバコの歴史は古いですが、加熱式たばこの歴史はそれほど古くありません。せいぜい5-6年なのですが、一方でJTは古い会社です。専売公社のたばこ事業を1985年に引き継ぎ、設立されたのがJTです。
JTCという言葉を聞いたことがあるでしょうか。JTではなくJTC。Japan Traditional Companyのことで、日本の伝統的な大企業を指します。体質が古く、多様性がなく、その代わり安定昇級があって年功序列で解雇もなく、正社員として就職できれば非常に安定的に給料がもらえるとされてきた企業たちです。そうしたJTCの功罪はさておき、多様性がないのは事実だったのです。JTもまたJTCの一種です。
そのJTが多様性の指標であるプライド指標2020で最優秀のゴールドを獲得したことは、非常に興味深いことではないでしょうか。これからどんどん多様な社会がやってきます。それは勝手に進んでしまう未来ではなく、私たちの日々の選択の積み上げそのものだと考えられます。差別をせず、人に平等に、そして優しく。社会が動き出そうとする際に、タバコ会社が率先して先導しているのは、興味深い話ではないでしょうか。
参照:LGBTに関する取り組みを評価する「PRIDE指標2020」において5年連続で最高位『ゴールド』を受賞!~ 社内の取り組みは、本社主導から拠点主導に発展 ~
https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/20201111_02.html